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DUPRの上げ方|数字を動かすための試合の組み方

DUPRの上げ方|数字を動かすための試合の組み方

「勝っているのに、DUPRが上がらない」。DUPRを使い始めた方から、最も多く聞かれる悩みです。そして原因の多くは、練習不足ではありません。試合の組み方にあります。

この記事では、DUPRのアルゴリズムから逆算して、数字を動かすための具体的な方法をまとめます。DUPRの上げ方を知りたい方はぜひ参考にしてください。

なお、技術面での課題(レート帯ごとに何を練習すべきか)は別記事で解説しています。

プロ選手監修のもと執筆しています
船水選手

船水雄太(ふねみず ゆうた)
主な実績:日本人初のメジャーリーグピックルボールプレイヤー(MLP選手)。米国プロツアー大会(PPA Tour)のメンズダブルスで日本人初の優勝。

荻原選手

荻原雅斗(おぎわら まさと)
主な実績:ソフトテニスを12年間続け、学生時代に3度の日本一を獲得。現在はカンボジアチーム代表ヘッドコーチとして活動中。

まず仕組みを理解する

まず仕組みを理解する

対策を考える前に、DUPRが何を見て計算しているかを押さえておきます。ここを理解しないまま試合を重ねても、数字は動きません。逆に、仕組みが分かれば打ち手は自然に決まります。

DUPRは、次の3つを合わせて再計算しています。

  1. 試合の勝敗
  2. 対戦相手とのレート差
  3. 得失点差

重要なのは、単純な勝敗だけを見ていないことです。

DUPRが実際に測っているのは、「その試合で期待された結果に対して、どれだけ上回ったか」です。だから次のようなことが起こります。

状況結果
格上に接戦で負けた上がることがある
格下に辛勝した下がることがある
実力が近い相手に普通に勝ったほとんど動かない

次に読むべき記事

レートが上がらない3つの原因

レートが上がらない3つの原因

相談を受けるなかで、原因はほぼ3つに集約されます。いずれも実力の問題ではなく、試合の組み方や登録の状況によるものです。自分がどれに当てはまるか、確認してみてください。

原因1:同じメンバーとしか試合をしていない

これが圧倒的に多い原因です。実力の近いメンバーで勝ったり負けたりを繰り返すと、計算上はレートがその位置に収束していきます。あなたの実力が上がっていても、比べる相手が同じなら、数字は動きません。

サークルやクラブで固定メンバーとだけプレーしている方は、まずここを疑ってください。

船水

僕は渡米後、ほとんどが格上ばかりとの試合の連続でした。そのため、意図的に格上と試合を組んだというよりは、自分のレベルを上げるために格上に挑み続けた結果、数値が自然に上がっていきました。もちろん最初はほとんど勝てませんでしたが、負けから得るものも多いので、Duprの数字を上げることを最優先にはしていませんでした。

原因2:格下相手に勝ちすぎている

意外に思われるかもしれませんが、格下との試合は上げ幅がごくわずかです。勝って当然だと計算されているためです。

しかも僅差で勝つと、勝ったのにレートが下がることすらあります。

原因3:登録している試合数が少ない

試合数が少ないうちは信頼度(Reliability)が低く、数字が不安定に上下します。この段階では「上がらない」というより「安定していない」状態です。

10〜20試合ほど登録すると落ち着いてきます。それまでは判断を保留してください。

数字を動かす4つの方法

数字を動かす4つの方法

ここからは具体的な行動です。効果の大きい順に4つ挙げます。すべてやる必要はありません。まずは1つ目だけでも意識を変えると、数字の動き方が変わってきます。

方法1:自分より上のレートの相手と試合をする

最も効果があります。

自分より0.3〜0.5ほど上の相手と試合を組んでください。この帯なら、勝てば大きく上がり、接戦で負けても上がる可能性があります。

差が開きすぎると逆効果です。1.0以上離れた相手に一方的に負けても、期待どおりの結果なので、ほとんど動きません。学びも少なくなります。

ポイント
「勝てそうにない相手」ではなく、「頑張れば取れそうな相手」を選ぶこと。

船水

もし僕が今アマチュアからやり直し、Duprを上げることにフォーカスをするなら、自分の一つ上のカテゴリーを選択して出場すると思います。
そうすることで、基本的には格上相手と対戦することができて、調子が良ければ試合にも勝てたり、負けても仕方ないということで次へのステップアップのきっかけや課題を見つけられるからです。
大切なのは、次に繋がる試合をすることなので、格下に勝つことよりも、格上に勝つために成長できる選択肢を選びましょう。

方法2:勝つときは点差をつける

得失点差が計算に入るため、11-9で勝つより11-3で勝つほうが上げ幅は大きくなります。

リードした場面で気を抜かず、最後まで点を取りにいく。これだけでも積み重なると差が出ます。

方法3:負ける試合も、点を取りにいく

負けが確定的な展開でも、1点でも多く取ってください。得失点差が計算に入る以上、11-2で負けるのと11-8で負けるのでは意味が違います。

格上との試合で「どうせ負けるから」と諦めると、レートを上げる機会を自分で捨てることになります。

方法4:試合を登録し続ける

登録しない期間が長いと、信頼度が下がっていきます。
公式大会に出る必要はありません。クラブの練習試合でも、仲間内のゲームでも構いません。続けて登録することが、数字を安定させ、動かすための前提です。

やってはいけないこと

やってはいけないこと

レートを上げようとするあまり、かえって遠回りになる行動があります。仕組み上うまくいかないものと、上達そのものを妨げるものの2つを挙げます。

レートを下げようとしない

意図的に負けてレートを下げ、低いカテゴリーで勝ちにいく——いわゆるサンドバギングです。

これはDUPRが解決しようとした問題そのものです。そして仕組み上、うまくいきません。

レートのリセット制度はありますが有料で、しかもリセット後の数値が元より低い場合は高いほうが保持される設計になっています。何より、対戦相手にとって不誠実です。

数字だけを目的にしない

レートは、あなたの価値を決める点数ではありません。

数字を上げること自体が目的になると、勝てる相手とだけ試合をする、負けそうな試合を避ける、といった行動につながります。それは上達から最も遠い過ごし方です。

DUPRは「次に何を練習すべきか」を教えてくれる道具です。道具に振り回されないようにしましょう。

船水

プロとして実力に合った数値を持つことは非常に大切なことです。しかし、数値を下げたくないからといって試合に出なかったり、プロカテゴリーに出ることをやめてしまう選手をたくさん見てきました。
それでは、自分が強くなるために挑戦していることと反するので、あくまで一つの指標であってピックルボールをプレーする目的ではないことを理解するべきです。
強くなって勝てるようになれば、自然に数値はついてくるものだと理解し、どうすれば目の前の相手に勝つことができるかにフォーカスしましょう。

技術面で伸ばすなら

技術面で伸ばすなら

試合の組み方を整えたうえで、技術面も同時に進めるのが理想です。

ただし、あれもこれもやろうとすると伸びません。レート帯ごとに、やるべきことを1つに絞ってお伝えします。

試合の組み方を整えたうえで、技術面も同時に進めるのが理想です。

現在の帯次にやるべき1つのこと
2.00〜2.49サーブの成功率を9割にする
2.50〜2.99リターン後、必ず前に出る
3.00〜3.49サードショットドロップの練習を始める
3.50〜3.99新技を覚えず、ミスを減らす
4.00〜4.49打つ前に「どこを崩すか」を決める
4.50〜4.99フィジカルと再現性を上げる

各帯で「何ができて、何ができないか」を動作レベルで解説した記事があります。自分の課題を具体的に知りたい方は、そちらをご覧ください。

よくある質問

レートの変動に関して、実際によく寄せられる疑問をまとめました。「勝ったのに下がった」といった一見おかしな現象についても、仕組みから説明しています。

何試合くらいでレートは動きますか?

1試合ごとに再計算されます。ただし信頼度が上がるほど1試合あたりの変動幅は小さくなるため、安定後は大きく動きにくくなります。

ダブルスとシングルス、どちらを登録すべきですか?

別々に算出されるため、伸ばしたいほうを登録してください。両方やるなら両方登録して構いません。

大会に出ないとレートは上がりませんか?

上がります。練習試合でも自分たちで登録すれば反映されます。ただし、大会は普段と違う相手と当たる機会なので、レートを動かすうえでは効率的です。

勝ったのに下がりました。バグですか?

バグではありません。格下相手に僅差で勝った場合など、期待された結果を下回ったと計算されると下がることがあります。

どのくらいの期間で上がりますか?

実力の伸びと試合の組み方によります。ただし、レートが動くまでには最低でも数か月単位の継続が必要だと考えてください。1〜2週間で判断できるものではありません。

まとめ

レートを上げる方法を最後に整理します。そして、最も大切なことをひとつだけお伝えして終わります。

レートを上げる方法をまとめると、こうなります。

  • 自分より0.3〜0.5上の相手と試合を組む(最も効果が大きい)
  • 勝つときは点差をつける
  • 負ける試合でも1点を取りにいく
  • 登録を続けて、信頼度を保つ

そして、数字を目的にしないこと。レートは練習の地図であって、成績表ではありません。